2020年から小学校でプログラミング教育が必修化に 文部省が検討

2017年05月22日 07:07

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2020年から小学校でのプログラミング教育を必修化するために文部科学省で準備が進められている。コンピュータに親しみ、プログラミングの思考を身につけ、これからの情報化社会に対応できる人材を育成することが目的とされている。  

 2020年から小学校でのプログラミング教育を必修化するために文部科学省で準備が進められている。17年2月には、小学校の学習指導要領案にプログラミングが盛り込まれた。しかし、ジャストシステムの意識調査によると、この必修化の動きについて6割の親が知らなかったという。どのような目的で教育現場にプログラミングが導入されるのだろうか。

 「IoT」や「人工知能」など、いわゆる「第4時産業革命」と呼ばれる産業の変革において、社会の変化に対応する人材を育成するということが、プログラミングが導入される背景だ。

 生活の中で自動販売機やロボット掃除機など、さまざまなものに内蔵されたコンピュータのプログラムによる恩恵を受けているが、まず子供たちがコンピュータを「魔法の箱」ではなく、人間の叡智が生み出したものであると理解させる。そして、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、時代を超えて必要となる資質・能力を、発達の段階に即して身に付けさせることが重要だとしている。

 コーディングといった具体的なスキルを教えるのではなく、コンピュータに親しんで、「プログラミング的思考」を養うことが目的だとされている。実は、現在でも授業にプログラミングを導入している小学校は存在している。文科省のホームページには1年生の生活科の授業の中でiPadを使い簡単なプログラミングの体験をさせたり、4年生の図画工作科の授業でプログラミングによって動く工作物を作らせたりという実例が紹介されている。このような授業を通して、コンピュータに慣れ親しませたり、コンピュータへの指示の仕方を学んだりする。
 
 人工知能が普及する中で、単純労働はコンピュータに置き換わると言われている。一方で、「システムを作りだす」「コンピュータに指示を出す」というスキルがますます必要とされるだろう。早期にコンピュータに親しみ、プログラミングの思考を身につけるという教育は、確かにこれからの時代に社会で活躍する人材になるためには必要な条件と言える。日本のITの発展のためにも、プログラミングには期待したい。(編集担当:久保田雄城)