厚生労働省と文部科学省の発表によると、今年の春に卒業した大学生の就職率は97.6%と、前年同期比で0.3ポイント増加し、6年連続で上昇。1997年の調査開始以来、過去最高であることがわかった。
特に関東地域の就職率は98.8%、前年同期比で0.9ポイント増加しており、全国の中でも最も高い水準となった。男子大学生は96.9%で前年同期比0.2ポイントの増加、女子は98.4%で前年同期比0.4ポイント増加となっており、男女とも就職率は改善している。文系・理系別では、文系の就職率は97.3%、理系の就職率は98.7%であった。
就職活動で目標となる内定率にも変化が現れている。10月1日現在で内定を得ている学生の割合は、23年3月卒で57.6%であったが、29年3月卒の場合は71.2%に上昇。10月の時点で、7割の学生は企業から内定を貰っている形だ。12月1日現在では23年3月卒が68.8%であったのに対して、29年3月卒の場合は85.0%、2月1日現在では23年3月卒が77.4%であったのに対して、29年3月卒の場合は90.6%と、いずれも内定率は10ポイント以上も上昇している。昨今問題になっている人手不足から、企業側も早めに優秀な学生を確保したいという姿勢の現れとも考えられる。
企業の採用意欲が向上しているのと同時に、学生の就職意欲も上昇。大卒で就職を希望した学生の割合は74.7%と、こちらも過去最高の水準となった。
高等専門学校では100%で、前年同期と同様。一方、短期大学では97.0%と、前年同期比で0.4ポイントの減少に転じた。専修学校は96.1%で、前年同期比0.4ポイントと、こちらも減少に転じた。大卒や高等専門学校卒の需要が上昇し、短期大学や専修学校卒の就職率が若干低下している形となったが、それでも90%以上の高水準を維持している。
今年も本格的な就活シーズンに突入した。企業の人手不足はまだまだ続くと考えられる。学生にとっては、売り手市場となっているので、しっかりとチャンスを活かしてほしいものだ。(編集担当:久保田雄城)