東京商工リサーチによると、2017年5月の「東日本大震災」関連倒産は5件(速報値:5月31日現在)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。収束傾向に変わりはないが、累計件数は震災から6年を経過して1,809件(5月31日現在)に達した。5月の負債総額は4億5,200万円で7カ月連続で前年同月を下回った。
呉服販売の丸丹(TSR企業コード:170199770、法人番号:2400002011837、岩手県)は、東日本大震災により、店舗兼住居を全壊する被害を受け、営業停止の状態が続いていた。再建が難しいことから、ここにきて債務整理を目的に破産を申請した。
リサイクル品回収、販売のアルティマ(TSR企業コード172596262、法人番号:6400001008277、岩手県)は、東日本大震災の津波によりコンテナ倉庫が被災し多額の損失を被った。事業再開後も厳しい経営が続き、破産手続きに踏み切った。
このように直接被災地を中心として、今になっても震災の影響を払拭できないでいる企業がみられる。
2017年5月の地区別は、関東が3件、東北2件(岩手のみ)だった。「震災関連」倒産の累計1,809件を都道府県別でみると、最多は東京の551件。次いで、宮城154件、北海道84件、千葉と神奈川が各73件、岩手と福岡が各70件、茨城66件、群馬59件、栃木57件、福島52件、静岡49件、山形47件、埼玉45件、大阪44件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は378件(構成比20.8%)だった。
「震災関連」倒産の累計1,809件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の479件(5月ゼロ)。次いで、製造業が406件(同2件)、卸売業が336件(同1件)、建設業が219件(同ゼロ)、小売業が170件(同2件)と続く。
被害型で分類すると、「間接型」1,644件(構成比90.8%)に対し、「直接型」は165件(同9.1%)だった。(編集担当:慶尾六郎)