ルネサスエレクトロニクス、調光機能内蔵のLED照明用ドライバIC販売

2012年02月29日 11:00

 ルネサスエレクトロニクスが、調光機能内蔵の高精度・高効率LED照明用ドライバIC「R2A20135SP」を製品化し、2012年3月よりサンプル出荷を開始し、6月から量産すると発表。システム設計サポート用に、新製品を搭載した開発支援ツールである応用回路ボードも同時に提供を開始するという。

 新製品は、明るさを調整する際に必要な導通角検出回路を内蔵することで、既販の「R2A20134」と比べて、調光用外付け回路面積を当社比で約40%を低減。これによりシステムの小型化が図れると共に部品点数削減による低コスト化が可能となる。また、LED照明では電流の変化が明るさの変化に現れるため、安定した輝度で量産するためには電流ばらつきを低減させることが必要である。新製品では、電流制御のための基準電圧を低電圧化、さらにパワー半導体を用いてLEDへ電流供給を行う回路の構成を独自構成とし、従来品から電流精度を約60%向上させることに成功。LED輝度ばらつきを低減、LEDの明るさを一定に保つことが可能となった。このため、LED照明生産時における電流の無調整化が可能となった。

 加えて、調光機能を内蔵していない既販の「R2A20134」と同パッケージを実現したうえ、LED照明の省電力に重要な特性である高効率、高力率も継承。新製品の性能を充分に活用するための開発支援ツールとして応用回路ボードも提供することで、ユーザがすぐに開発できる環境を提供している。

 近年の節電や二酸化炭素排出削減に向けた世界的な取組みのなか、低消費電力かつ長寿命のLEDは大きく注目され、産業・商業施設、街灯や家庭の照明器具などでLED照明の普及が進んでいる。今月もパナソニックやシャープ等が相次いでエンドユーザー向けのLED照明新商品販売を発表しており、今後益々市場の拡大が予想される。こういった新商品を下支えするのが、今回発表されたようなLED照明用ドライバICの技術進歩であろう。エルピーダの会社更生手続開始など、日本の半導体業界が大きく揺れ動く中で、世界的にも上位に位置するルネサスが、今後どのような展開を見せるのか、注目に値するのではないだろうか。