学校法人加計学園への獣医学部新設を巡り、加計学園ありきで「総理の意向」が働き、行政が歪められたのか注視される中、前川喜平・前文部科学事務次官は10日の参院文科委員会・内閣委員会連合審査会で参考人出席し、和泉洋人総理補佐官から直接働きかけがあったと明確に答えた。そのうえで「和泉補佐官を中心として官邸の関与があると明らかに推測される」と指摘した。日本維新の会の清水貴之議員に答えた。
前川氏は「昨年9月上旬に、総理官邸の和泉総理補佐官から呼ばれ、和泉補佐官の執務室で面談した。その際、国家戦略特区における獣医学部開設について文部科学省の対応を早くするように要請を受けた」と語った。
前川氏は「要請を受けた際、『これは、総理が自分の口からは言えないから、私が代わって言うのだ』という発言があった」と明言した。
また前川氏は「その後も、この件に関しては和泉補佐官とやり取りがあり、10月の半ばごろには再度、官邸に呼ばれ、早期の対応を促された」と答えた。
前川氏は「その時点でも、文科省としてははっきりとした方針が定まっていなかったので、引き続き検討中ですと答えた」と説明。
前川氏は「和泉補佐官は特区制度に非常に詳しい方だから、どこの役所の誰にどうすれば、どう動くかも良くご存じな方だ。霞が関中の要所を掴んでおられる方だ」とも述べた。(編集担当:森高龍二)