総理がお願いされ補佐官が動いた可能性

2017年07月11日 04:53

 国家戦略特区による学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐる疑惑で10日、参院の文科委員会・内閣委員会の連合審査会が開かれ、この日の審査会のやり取りから、民進党の加計疑惑調査チーム共同代表の桜井充議員は「安倍晋三総理は平成30年4月開学とおしりを切っていた。萩生田光一官房副長官ではなく、安倍総理が加計理事長からお願いされ、それを和泉洋人総理補佐官に相談し、和泉補佐官が動いて変わってきているのではないか」との見方を示した。

この日、参考人として出席した前川喜平・前文部科学事務次官も各党議員らの質問に答える中で「和泉洋人総理補佐官から直接働きかけがあった」と明確に答えるとともに「和泉総理補佐官を中心として官邸の関与があると明らかに推測される」と自らの認識を日本維新の会の清水貴之議員の質問に答えた。

 この日、前川氏は民進党の加計疑惑調査チーム共同代表でもある桜井充議員が、和泉補佐官から『総理のご意向』と言われたことがあるかなどを聞かれ「昨年9月上旬、和泉補佐官に呼ばれた際、国家戦略特区での獣医学部新設について文科省の対応を早くしてほしい旨を要請された。その時、『総理は自分の口から言えないので、代わりに自分が言うのである』と言われた。少なくとも2、3回は国家戦略特区での獣医学部新設について督促を受けた」と答えた。

 桜井議員は「特区は内閣府の所掌事務であって、首相官邸は関係ないと思う。なぜ首相官邸から関係者が呼び出しを受けるのか」と質し、ほかにそのようなケースがあったかも尋ねた。前川氏は「少なくとも私の経験に照らすと、国家戦略特区あるいは構造改革特区を含めて官邸から直接何かを言われたことはない」と答えた。桜井議員は「そういうことだ。これは非常に特別なことだ」と指摘し「本来、内閣府が整理するものを、官邸が口出ししている」と官邸が事業者選定に深く関わっていた疑惑をより浮き彫りにした。(編集担当:森高龍二)