ドイツに本社がある自動車部品のメーカー、ボッシュにて自動運転技術の開発などに約1億ユーロを投資するという発表があった。日本円にして約1250億円もの巨額投資となる。
今回の投資では半導体工場を建設することになった。2019年までに完成させ、2021年までにはスタートする予定だ。自動運転車を実用化させるために欠かせないのが自動運転車用の半導体だ。大きな夢を描いても自動運転車用の半導体が無ければ実現不可能となっている。
この自動運転車用の半導体はディープラーニングと言う深層学習機能を持っているAIが不可欠となっている。高性能が求められるが、ボッシュは今回の投資により12インチの半導体を製造する予定となっている。これは今までの半導体と比べると性能も非常に高くなる。
高性能な自動運転車用の半導体は将来的に大きな需要が期待できる。ボッシュは今回の巨額投資にて需要の高さに対応していけるという展開が予測される。
自動運転車の実現化には位置情報の精度の高さが求められる。現在のカーナビの位置情報では精度があまり高くない。「現在地より10メートルほど手前で到着しました」という音声が流れることがある。入り組んだ道路だと不正確な案内をされるカーナビも良く見られるほどだ。
そこで自動車メーカーと地図会社が協力し、精度の高い自動運転用マップを開発している。ボッシュではオランダの会社と協力し、レーダー情報を使用する自動運転用マップの開発に成功している。
また、ビデオカメラのデータを使用する場合、悪天候だと精度が落ちてしまう。しかしレーダー情報なら天候に関わらず精度が高いままと言うメリットがある。夜間で視界が悪い時でも同様だ。さらにデータ量が少なくて済むと言った関係上、システムへの負担も抑えることが可能だ。
日本の経済産業省ではレベル4完全自動運転の実用化は2030年代を目標としていたが、今回のレーダー情報を使用する自動運転用マップの開発の成功により、実現が早まる展開が予測される。(編集担当:久保田雄城)