株式会社アキュラホームが都内の会場において、「第18回JAHBnet全国大会」と「シンポジウム」を開催した。ジャーブネットとは、JAHBnet=ジャパン・エリア・ホーム・ビルダー・ネットワークを略したもので、アキュラホームが主宰する、工務店ネットワークのこと。現在は249社が加盟しており、毎年、優秀な工務店、ビルダーを表彰する。約800名が集う会場で、「全国建築優秀賞」「全国営業優秀賞」「ビルダー経営優秀賞」などいくつかの部門ごとの表彰式を行った。
ジャーブネットの目的は「スマートアライアンスビルダー(賢いホームビルダー連携)」。たとえば資材を共同購入することでコストを抑え、経営ノウハウを共有することで、「永代家守り」を提唱している。同社では3年間のカリキュラム「ビルダー塾」を用意し、塾生の受注棟数は180%もの伸び率を達成している(第1~9期生)。
また会場では「これからの暮らしをデザインする」をテーマにしたシンポジウムも開催した。芦原太郎建築事務所の芦原所長は、「家をデザインするのが建築家の仕事だが、生活する人たちが、自分で自分の暮らしを豊かにデザインできるような、家をデザインするのも建築家の役割り」と語った。
フルカワデザインオフィス代表取締役の建築家、古川亮太郎氏は、「我々が作るのはハードウェアですが、家を通して人を繋ぎたい。近所の子どもたちを集めて、ワークショップやガーデニングをするなど、住育(じゅういく)を行うことで、街そのものの魅力にも繋がるのでは」と提案。和紙作家の堀木エリ子氏は、「大事なのは“ご縁”と“パッション”。アキュラホームの社長のパッションに、さまざまな匠の方たちが巻き込まれ、夢を語り合って、豊かな住まいづくりができる」と、和紙をインテリアアートに取り入れた自身の経験も話した。
人口や世帯数の減少から、住宅市場は縮小傾向にある。国土交通省発表の「建築着工統計」によれば、年々右肩下がりになっており、これからも下がり続けると予想される。そのため従来型の工務店は厳しい状況に立たされ、大手ハウスメーカーは、住宅以外の事業にも積極的に進出している。欧米諸国に比べ、日本の住宅価格は3、4割高いといわれている。同社では、下請け、孫請けをなくすことでコストダウンを図り、適正価格を実現してきた。
そういった現状をふまえ、住宅業界でもパラダイムシフトが求められている。たとえば、収納家具は建築で設置し、家電はビルトインなどで、IoTを活用したスマートホームも注目されている。注文住宅は働き方や暮らし方などの多様性から、家によって自分の生活そのものを豊かにする可能性を広げているといえる。(編集担当:鈴木博之)