トヨタが、ハイブリッド車の使用済みニッケル水素電池を再利用する定置型蓄電システムを開発、実証実験を開始したと発表。事業化に向けた検証のため、名古屋トヨペットの太田川店に定置型蓄電システムを設置し、性能や耐久性、CO2の低減、省エネ効果を把握していくとのこと。また本年3月からは、豊田合成の北九州工場内でも、同様の定置型蓄電システムを設置した実証実験を開始する予定であるという。
同社では2010年から、電池容量が下がり自動車用途としては使用できなくなったHV車用のニッケル水素電池を、回収後、解体・還元処理等を行い電池原料として再びHV車用ニッケル水素電池へとリサイクルしていた。しかし回収した電池を組合せることで、自動車用途に比べ重量や体積に制約の少ない定置型蓄電システム用として利用できる物が多いという。今回の開発はこうした現状をうけたもの。定置型蓄電システム用として使用後は、再びHV車用ニッケル水素電池の原料へリサイクルするとのこと。
車種も豊富になり、普及が進むハイブリッド車。普及が進むと同時に循環型社会が叫ばれる中、こういった取り組みは必然といえるかもしれない。ニッケル水素電池にはレアメタルが使用されているため、その安定確保といった面でも当然と言えるであろう。では近年、採用が進んでいるリチウムイオン電池ではどうか。現在もそのリサイクルは各社が行っているが、まだ研究段階と言えるであろう。今後は、単なる利便性だけではなく、リサイクルシステムも確立された上での開発・普及が望まれるのではないだろうか。