都民ファーストの会が9月での都議会において、受動喫煙に関する条例案の提出を検討していると報じられている。同党では7月の都議選の際に飲食店などの屋内全面禁煙はもちろん、将来的には子どもの受動喫煙防止を目的として自宅や自家用車内、通学路を原則禁煙とする条例の制定を公約に掲げているが、巷では賛否両論の声が挙がっている。
まず同党が争点としているのは飲食店における受動喫煙対策だ。喫煙者からは「お酒が出る場ではタバコを吸いたい」という意見が多く、飲食店側からも「屋内が完全禁煙となってしまった場合には喫煙スペース設置の義務が生じ、費用的に負担が大きい。禁煙にすると客足にも大きな影響が出るのではないか」と危惧されている。「禁煙ファシズム」と絡めて「都民ファーストのファとは、ファシズムのファではないのか」という辛辣なコメントや、「プライベート空間に立ち入りすぎ」と猛反発する意見も挙がっている。
こうした反発意見も考慮してか、同党では、飲食店においては「原則屋内禁煙」としながらも、「従業員を使用しない店舗」や、「全従業員から同意が得られた店舗」においては喫煙を許可するという方向性を打ち出している。
一方で、「20歳未満は煙草を吸うのは禁止されているのにも関わらず、受動喫煙で吸いたくないもない人間が煙を吸わされるのは納得がいかない」という意見や「タバコが気軽に吸える現状がおかしい、東京だけでなく全国的に実施すべきである」と、この条例案を歓迎する人も少なくない。
かねてから禁煙を訴えてきた日本禁煙学会理事も「子どもの前でも吸うのはニコチン依存症であり、この機会に禁煙するべきである」とコメントを発表し、同党の条例案に全面的に賛成の姿勢を示している。
喫煙者と非喫煙者の間ではもちろん、飲食やサービス業者、行政など多くの人々の間で論争が繰り広げられている中、今後都民ファーストの会がどのような動きをするのか注目したい。(編集担当:久保田雄城)