厚生労働省が公表した『国民生活基礎調査』によると、2016年の喫煙率が初めて2割を切ったことがわかった。
成人の喫煙率は19.8%。そのうち男性の喫煙率は31.1%、女性の喫煙率は9.5%であった。前回13年の結果と比べると、全体の喫煙率は21.6%から1.8ポイント減であるが、01年の48.4%から見ると28.6ポイントと大幅減となっている。02年に、東京都千代田区が「路上喫煙地区」を制定して以降急速な勢いで下がっているのだ。
年代別に見ると、男性は30代が39.9%で最も高く、40代が39.5%と続いた。女性は40代が14.7%で最も高く、30代が12.8%で続いた。20代については男性31.1%、女性10.2%であるが、01年と比べると、男性は30代が58.0%から18.1ポイント減であるのに対し、20代は24.5ポイント減と最も下げ幅が大きく、女性も同様に40代が17.3%から2.6ポイント減なのに対し、20代は12.5ポイント減と大きな減少幅となっており、若者のたばこ離れが大きいと言える。
都道府県別に見ると、全国平均を上げているのは関東以北が殆どで、トップ3は北海道24・7%、青森23.7%、岩手22.6%で、以下福島・群馬・栃木・茨城・佐賀・宮城と続く。喫煙率が低いトップ3は、奈良17.1%、鹿児島17.4%、京都17.5%などとなっており、北海道と奈良の差は7.6%であった。
男女別に見ると、喫煙率が高いトップ3は、男性は青森・岩手が36・6%、佐賀36.2%、北海道34.6%。低いトップ3は滋賀27.1%、奈良27.7%、東京28.8%で青森・岩手と滋賀の差は9.5%だ。女性は、高いトップ3は北海道が16.1%、青森12.3%、群馬11.0%。低いトップ3鹿児島5.8%、島根6.1%、鳥取6.4%で、北海道と鹿児島の差は10.3%と全国平均や男性の差に比べると、差が大きいのが分かる。ただし、16年については、熊本地震の影響で熊本県での調査未実施である.
政府は「がん対策推進基本計画」で、22年度末までに成人の喫煙率を12%に下げる目標を掲げている。20年東京五輪・パラリンピックに向け、IOCから分煙などで厳しい指摘を受けており、罰則付きのルールを適用など受動喫煙対策に力を入れている。喫煙者にとっては、更に肩身の狭い時代が来そうだ。(編集担当:久保田雄城)