グアムへのミサイル 佐藤外務副大臣発言の危惧

2017年08月17日 18:08

 佐藤正久外務副大臣が15日、靖国神社参道で開かれた戦没者追悼集会であいさつし「北朝鮮から(発射されたミサイルが)日本の上空を飛び越え、グアムの方へいく。そういう時、自衛隊は本当に撃ち落とさなくていいのか。日米同盟の真価が問われている」と語った。

 佐藤外務副大臣は「撃ち落とせるのに撃ち落とさず、グアムに被害が出たら、日米同盟はどうなると思う」と日米間の信頼関係を壊すことになるので、撃ち落とすべきだとの認識を示した。

 ただ、集団的自衛権行使容認の新3要件に合致しない限り、撃ち落とすのは『憲法違反』で、日米同盟を深化させるあまり、撃ち落としの結論ありきにならないか、危惧を抱かせる発言になった。

 安倍政権下で集団的自衛権の行使に対する憲法解釈が変更され「我が国に対する武力攻撃」のみでなく「我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃であっても、これにより、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合で、排除には他に適当な手段がないときはこれ(武力行使)を認める。その実力行使は必要最小限度にとどまるべき」としている。

 グアムに向かう北朝鮮発射のミサイルを撃ち落とすかどうか、撃ち落とせば日本が北朝鮮に宣戦布告する事態になるだろう。ミサイル防衛の在り方での「日米2+2」の内容とそこでの日本の役割に注視しなければならない。(編集担当:森高龍二)