野党第1党として、政権交代を実現する政党になり得るかどうか、党の命運を握る民進党代表選挙が21日告示される。経済政策では、すでに立候補表明している枝野幸男元官房長官、前原誠司元外務大臣ともに、大きな差はないようだが、原発政策では枝野氏は2030年代原発ゼロの前倒し実現へ、代表になれば、年内に法案を提出していく考えを示している。一方、前原氏は現行の目標を維持する方針。国民に自公政権との違いをどうアピールしていくのか。代表ポストにだれが選ばれるかでも総選挙に現れる形が変わってきそう。
そうした中、民進党最高顧問の菅直人元総理は「ベーシック・インカム」を党として進めるべきだとブログで20日発信した。
菅元総理は「国=政府が全国民に1人当たり年間100万円支給するというベーシック・インカムの考えは一見とても実現不可能に思えるが、そうでもない」と提唱する。
菅元総理は「経済学者の試算によれば、所得税を一律50%にすれば可能と言っている」とし「年収700万円の4人家族の場合、350万円の所得税をとられるが、他方で100万円×4人=400万円に支給を受けるので、実質750万円の収入となる」。
一方「1000万円の収入があれば500万円の税をとられ、400万円の支給が受けられるので、実質900万円の収入で、所得に対する実効税率は10%となる。年収1億円では5000万円の所得税をとられ、400万円の給付を受けるので実質5400万円の収入で、実行税率は46%となる」。
菅元総理は「極めて大きな格差是正になることが理解できる」と提案し「それだけでなく、生活保護など各種給付を廃止でき、それにかかわる極めて煩雑な行政手続きがなくなり、行政経費が大幅に低減される」と行政コストの削減にもつながるとしている。議論の余地はありそう。(編集担当:森高龍二)