原発ゼロと2030年代とするのか、2030年とするのか、党としての結論を得るための民進党エネルギー環境会議の3回目会合で、菅直人元総理(党最高顧問)は東電福島第一原発事故で1号、2号、3号機は圧力容器の底が抜け、デブリが格納容器内に散乱していることを踏まえ「格納容器は一部損傷しており、汚染水が漏れ出ている。地震などでさらに大きく格納容器が損傷すれば、放射能が漏れ出し、東京の避難が必要となる恐れも残っている」とリスクを提起した。
そのうえで「2012年当時、すべての原発が停止すると国民生活や経済に深刻な影響が出ると経産省や関電が主張」したことから「大飯原発再稼働を野田内閣が容認した」とし「それから5年を経た今日、原発が一基も動かなかった2年間を含め原発が動かなくても電力不足は生じないことが実証された」と再稼働させる必要がなくなったことをあげ「事故が起きた時のリスクの大きさを考えれば原発は一刻も早く全て止めるべき」と主張した。
特に民進党内では原発関連の労組出身議員から、2030年にすることに反対意見が出ている。菅元総理は「反公害運動は学者や作家など市民運動が中心となった。そして水俣病ではチッソは原因となった有機水銀を使用する方式から撤退した。原発問題でも関係者の意見はよく聞くべきだが、最終的には国民全体の安全を優先して判断すべき」とアピールした。25日のブログで、発言要旨を公表した。(編集担当:森高龍二)