高校生平和大使に各国外交官と意見交換の場設定

2017年08月24日 06:39

 2014年以来、ジュネーブ軍縮会議で日本の高校生平和大使が「核兵器廃絶」を訴える演説を行ってきたが、今年は政府判断で演説が見送られた。外務省は演説見送りの代わりに各国大使と意見交換の機会を設けるとしている。

 社会民主党の福島みずほ副党首が外務省軍備管理軍縮課に高校生平和大使の演説見送りの理由を文書回答するよう求めたのに応じた。回答では「軍縮会議は政府間交渉の場で、通常、政府代表の発言しか認められていない。これまでは高校生平和大使を当日のみ政府代表団として登録するという例外的な対応を取ってきたが、近年こうした例外的な措置を問題視する国が出てきた」と回答した。

 問題視する国については国名をあげていない。高校生の演説取り止めについては、核兵器禁止条約に署名していないことに言及されるのを懸念したためではないかとの見方がある。外務省は「軍縮会議において例外的な対応を継続し、スピーチの機会を得ることは困難」と回答し「核兵器禁止条約の採択や高校生の発言内容とは関係がない」と否定した。

 そのうえで代替措置として「日本政府代表部において、核兵器国、非核兵器国を含む各国外交官と高校生平和大使との意見交換の機会を設けた」としている。

 福島副党首は「軍縮会議で日本の高校生が核軍縮を訴えることに対し、いったいどの参加国が問題視したというのでしょうか。にわかには信じがたい話。軍備管理軍縮課は『国名は言えない』としています。高校生平和大使の演説は継続されるべきです」と訴えている。(編集担当:森高龍二)