トヨタは、人工知能を搭載し人を理解し、人とクルマがパートナーの関係となる、モビリティ社会の未来像を具現化したコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」シリーズの概要を公表すると同時に、東京ビッグサイトで、10月28日から一般公開として開催される第45回東京モーターショー2017に出展すると発表した。
東京モーターショーに出展する「TOYOTA Concept-愛i」シリーズは、今年1月に米国で開催された「2017 International CES」に出展した四輪モデルの「TOYOTA Concept-愛i」加えて、ユニバーサルな小型モビリティ「TOYOTA Concept-愛I RIDE」と歩行領域のモビリティ「TOYOTA Concept-愛i WALK」を新たに追加して「愛シリーズ」として展示する。
トヨタによると「TOYOTA Concept-愛i」シリーズは、“More than a Machine, a Partner”をコンセプトに、ドライバーをより理解し、共に成長するかけがえのないパートナーして、新しい時代の「愛車」となることを目指すという。
「TOYOTA Concept-愛i」シリーズに共通するコア技術は、人工知能を応用し、ドライバーの感情認識や嗜好推定を行なう「人を理解する」技術(Learn)だ。この「人を理解する」技術と自動運転技術を組み合わせ、ドライバーを「安全・安心」(Protect)に導き、エージェント技術と組み合わせることで、ドライバーの気持ちを先回りした提案を可能とし、ドライバーに「新しいFun to Drive」(Inspire)をもたらすとしている。
「TOYOTA Concept-愛i」の車両デザインは、キャビンフォワードな未来的シルエットを持たせた。ボディサイズは全長×全幅×全高4510×1830×1475mm、ホイールベース2700mm。4名乗車仕様の電動車だ。
インテリアはシンプルで開放的、インストルメントパネル中央部に位置するエージェントを起点としながら、車体外装にまでインストルメントパネルの意匠が連続するシームレスなスタイリングとなっている。
今回、新たに発表となる「TOYOTA Concept-愛i RIDE」は、「人にやさしい都市モビリティ」をコンセプトに、ユニバーサル性を重視した小型モビリティだ。車いすユーザーが乗降しやすいガルウィングドアの採用、電動ユニバーサルスライドシート、車両操作にジョイスティックを採用するなど、車いすユーザーにとって使い勝手の良さを追求したモデルだ。ある意味、AIを搭載した「電動車いす」と言えそうなモデルだ。ボディ寸法は全長×全幅×全高2500×1300×1500mmと極めてコンパクトなEVとなっている。
歩行空間領域の移動を目的にした「TOYOTA Concept-愛i WALK」は、全長を人の歩幅以下、全幅を人の肩幅以下に抑え、その場での回転が可能で、歩行者と同じ空間を走行できる。また、ハンドル部のセンサーやエージェントとの会話からドライバーを理解し、状況に応じてドライバーを安全な状態に導く。走行時に危険を察知した場合、ドライバーに能動的に警告し、自動で回避する。さらに、3輪構成のレイアウトで速度に応じたホイールベース可変機構を採用し、停止時および走行時の安定性を確保している。(編集担当:吉田恒)