失業率2.8%で横ばい、ミスマッチ失業が主、労働力調査7~9月期平均発表

2017年11月20日 07:04

画・失業率2.8%て_横は_い、ミスマッチ失業か_主、労働力調査

総務省は7~9月期の労働力調査速報を発表。既に公表の9月分では失業率は4ヵ月連続で2.8%と低水準。年平均は2016年の3.1%より低下する見込み。失業の理由では、条件が一致しないミスマッチ失業が主な失業理由となっている。

 総務省は11月7日労働力調査平成29年(2017年)7~9月期平均(速報)の結果を公表した。月次統計としての9月分は先月末、既に公表済みで7月から9月までの完全失業率は2.8%と低い水準で横ばいとなっている。一般的にこの水準は完全雇用の状態とみられており、マクロ需給ギャップも需要過多でプラスというのが大方の見方である。2.8%は6月より4カ月連続の横ばいで、17年の1月から9月までの平均は2.86%となっており、このまま行けば17年の年平均は16年の年平均3.1%を下回る見込みである。

 当該四半期ベースでの要約としては、正規の職員・従業員は3435万人で前年同期から64万人の増加、非正規の職員・従業員は2050万人で前年同期と比べ17万人の増加となり、正規、非正規ともに増加した。非正規について男女別にみると男性が前年同期から8万人の増加、女性は同13万人の増加となっている。非正規の雇用形態についた理由については、男女共に「自分の都合の良い時間に働きたいから」が最も多くなっている。また、完全失業者は190万人で、前年同期から17万人減少しており、この内失業期間が「1年以上」の者は68万人で前年同期から8万人減少した。非労働力人口は4332万人で前年同月より55万人減少、この内就業希望者は365万人、前年期から9万人減少、就業非希望者は3889万人で26万人の減少(この内、65歳以上は12万人)となった。

 「仕事につけない理由」についてみると、「賃金・給料が希望とあわない」が2012年に6.8%であったものが17年7~9月期では5.4%となり減少傾向である。「勤務時間・休日などが希望とあわない」は12年に10.0%であったものが当期では13.5%と増加している。「求人の年齢と自分の年齢があわない」は12年が16.7%で当期が14.1%と減少している。「自分の技術や技能が求人要件に満たない」が12年に7.8%、当期が7.0%となっている。「希望する職種・内容の仕事がない」は12年に28.8%で当期は27.6%となっている。「条件にこだわらないが仕事がない」が12年の10.7%から当期の6.5%と減少している。「その他」が12年に19.2%から当期25.9%と増加している。

 全体として「勤務日時のミスマッチ」の増加と「条件にこだわらない」の減少、「その他」の増加が目立っている。条件があわない為に失業している者の割合の合計は67.6%で全体の3分の2を超えており、ミスマッチの比率は個々の理由別で減少傾向がみられるものの、全体としては未だミスマッチ失業が失業の主要な原因となっている。(編集担当:久保田雄城)