トヨタ・ハイエース、マイチェンで全車「Toyota Safety Sense P」標準搭載

2017年11月24日 07:25

Toyota_HIACE

マイナーチェンジしたハイエース特別仕様車 スーパーGL“DARK PRIME”2WD 2800ディーゼル・標準ボディ(写真左:スパークリングブラックパールクリスタルシャイン)369万6840円。同じく、特別仕様車 スーパーGL“DARK PRIME”4WD 2700ガソリン・ワイドボディ(写真右:ホワイトパールクリスタルシャイン)366万3360円

 トヨタは、ハイエース(バン・ワゴン・コミューター)、レジアスエース(バン)をマイナーチェンジし、 11月22日に発表した。その最大のポイントは自動ブレーキ(プリクラッシュセーフティシステム)を含めた衝突支援回避パッケージ「Toyota Safety Sense P」の採用だ。しかも、全車標準装備とした。

 トヨタの衝突支援回避システムには大きくわけて「Toyota Safety Sense C」と今回ハイエースなどに搭載した「Toyota Safety Sense P」の2種類ある。「Safety Sense C」は単眼カメラ+赤外線センサーを組み合わせるが、単眼カメラにミリ波レーダーを組み合わせた後者のほうが高機能だとされ、歩行者検知機能が備わり、自動ブレーキの作動が高い車速域まで対応。停止車両に対する回避能力が「Safety Sense C」に比べて10km/hほど高い約40km/hまで対応するなどの違いがある。

 また、「Safety Sense P」の作動状況表示のために、メーター内に大型ディスプレイが必要だ。そのため、従来は上級グレードのみであったオプティトロンメーターが、ベーシックグレードの「バンDX」まで含めて全車に標準装備された。ちなみに、今回の一部改良ではディーゼルエンジン車のMTモデルが消滅し全車シーケンシャルシフトの6速オートマティックとなったが、タコメーターは全車に装着される。

 さらに、車両の安定性を確保する横滑り防止装置VSC(Vehicle Stability Control)とTRC(Traction Control)、急な坂道での発進時に車両のずり落ちを一定時間抑えるヒルスタートアシストコントロールのほか、盗難防止に貢献するオートアラームを全車標準装備し、安全性に配慮した仕様となった。

 今回のマイナーチェンジでは、この安全性の向上に加えて環境性能もアップさせた。ディーゼル車において、2.8リッター4気筒クリーンディーゼルエンジン「1GD-FTV型」を搭載し、6速オートマティックの採用により従来型に対し1.6km/リッターから1.0km/リッターほど燃費が向上した。「平成27年度燃費基準+15%」を達成するとともに、「平成21年基準排出ガス10%低減レベル」の認定を取得、「エコカー減税」の免税措置対象となった。

 ハイエースは、トヨエースの小型モデルとして、1967年に「日本初、新分野のキャブオーバーバン」をコンセプトに誕生し、今年で50周年を迎えた。

 初代ハイエースは、当時、商用車をリードするクルマを目指し、乗用車的センスを備えた“新時代の商用車”を標榜して開発。さらに、2代目以降は「商用車でも、後ろに乗りたくなるクルマを」を目指し、後席乗員の快適性を追求。現在のミニバンに引き継ぐファミリーカーの新たなジャンルを開拓した。以来、貨物輸送をはじめ、事業用のバス、タクシー、福祉車両のほか、乗用車として多彩な用途で幅広いユーザーに利用されている。

 50周年を迎えるにあたり、販売店では新たな施策として、キャンプなどのアウトドアを楽しむユーザーが増加するなか、ハイエースでアウトドアを楽しむライフスタイルを提案し、ハイエースの新たな魅力を発信していく。(編集担当:吉田恒)