建設技術者、9月の新規求人倍率9.09で逼迫、年末に向けてさらに逼迫の見込み

2017年12月14日 06:31

画・建設技術者、9月の新規求人倍率9.09て_逼迫、

ヒューマンタッチが人材市場動向数値(建設業界編)を公表。建設技術者の新規求人倍率は9月時点で9.09、既に昨年末を超える人手不足感。建設業界の堅調な需要を背景に、年末に向けてさらに逼迫すると予想。

 ヒューマンタッチは11月29日、「ヒューマンタッチ総研~Monthly Report 2017年11月」を発表し、厚生労働省「一般職業紹介状況」や総務省「労働力調査」のデータをもとに建設業関連の労働市場の逼迫状況について分析・レポートしている。

 レポートによれば9月の建設業の就業者は500万人で前年同月の494万人から6万人増加、新規求人数は7万2443人と前年同月の6万7907人から4539人増加し、14カ月連続で前年同月を上回り人材需要が活発な状況が続いている。

 9月の建設技術職(建築・土木・測量技師)についてみると有効求人倍率は5.88と高い水準で前年9月の5.14を0.74も上回っている。本年の1月から9月までの建設技術職の有効求人倍率は、全ての月において前年を上回っており、9月時点で既に昨年12月の5.69よりも高くなっている。

 有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率で建築・土木・測量技術者について見ると、本年9月で9.09となっており、前年9月の8.05を1.04上回っており、新規求人倍率においても1月から9月まで、全ての月で前年同月を上回り、9月時点で昨年末12月の9.06を0.03ポイント上回っている。

 建設技能工について見ると、一般職業紹介所における建設技能工(建設・採掘の職業(常用除く・パート))の有効求人倍率は4.38倍で前年同月を0.77ポイント上回っており、当該有効求人倍率は29カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工についても人手不足感の強い状況が続いている。

 人手不足感の強さを見るために「不足」と答えた企業の比率から「過剰」と答えた比率を引いた数値である過不足判断DIを見ると8月時点で専門・技術職がこの2年間で最高の60を記録し、技能工でも53と高い数値となっており、専門・技術職および技術工ともに人手不足感が深刻である状況を示している。

 建設業界では大手ゼネコン各社の2018年3月期における第2四半期決算で利益の上方修正が相次いでおり、当面は好調な業績が持続するであろうと見込まれている。こうした好業績からくる堅調な需要を背景に、今後年末に向かって建設業界の人手不足感はさらに厳しい状況になると予想され、「建設業各社の人材採用は厳しい局面を迎えることになりそう」であるとレポートは分析している。(編集担当:久保田雄城)