佐川国税庁長官の今すぐの更迭を要求 枝野氏

2018年01月25日 08:01

 立憲民主党の枝野幸男代表は24日の衆院本会議代表質問で、地中のゴミを理由に国有地を8億円値引きし森友学園に売却した問題について、当時の理財局長だった佐川宣寿(さがわのぶひさ)現国税庁長官が「価格について国から提示したことも、先方から希望を示されたこともない旨を国会で答弁していたが、近畿財務局と(森友学園)の間で具体的な金額を示したやり取りがあったことを示す音声テープが明らかになるなど、虚偽答弁であったことは明々白々だ」と指摘した。

 また枝野代表は「佐川氏は交渉記録を適切に破棄した、と答弁を繰り返したが、10年分割、買い戻し付の売却である以上、売買契約が成立しただけでは事案は終了していない」と指摘。

 そのうえで「(交渉記録の文書)廃棄そのものが虚偽であったことを示す事実が明らかになってきている。また本当に廃棄していたとすれば公文書管理法違反だ」と述べ「このような方が徴税の最高責任者である国税庁長官に昇進しているというのは常識では考えられない」と強く疑問視。

 枝野代表は、佐川長官が業界紙で「些細な問題でも対応を誤れば組織の信頼を失ってしまう、と述べている。また職員向け訓示では文書管理の徹底を指示していた。最早、怒りを通り越し、呆れるばかり。徴税事務の信頼を守るために、今すぐ、佐川長官を更迭すべきだ」と安倍晋三総理と麻生太郎財務大臣に更迭を求めた。

 安倍晋三総理は「国税庁長官の人事については他の全ての人事と同じく、適材適所の考え方に基づき行った」と答弁。議場からは総理の答弁に「え~ぇ」と驚きとも、疑問とも、呆れたとも受け取れる声があがった。

 安倍総理は枝野代表の質問を受け「森友学園への国有地売却に関しては、今後とも、しっかり説明していかなければならないと考えている」と答えた。また「国有地売却にあたって、国民の疑念を招くようなことがあってはならない」と述べた。今国会でも森友問題では新たな資料を踏まえた政府への問いかけが野党から行われることになる。(編集担当:森高龍二)