森友学園への国有地大幅値引き売却に絡んだ二つのニュースが週末に流れた。「交渉記録の書類は廃棄した」との国会答弁を繰り返し、その後、理財局長から国税庁長官に抜擢された佐川宣寿氏が9日、国税庁長官を辞任というニュース。
国税庁長官就任後に価格交渉に関係するとみられる文書が次々明るみになる中、佐川氏への不信感と国税庁長官就任時から今日まで一度も記者会見しない異常な事態に「説明責任を果たすべき」「長官は辞任せよ」との世論も強まりつつあった。
財務省では決裁文書書き換え疑惑が何ら払拭されないままになっている。佐川氏には、国会で説明責任を果たして頂きたいと願う。
一方、近畿財務局で森友学園との交渉を担当していたとみられる男性職員が自宅で死亡しているのが見つかった、とのニュースが飛び込んできた。菅義偉官房長官は「報告を受けている。大変残念に思っている。詳細についてはご遺族との関係もあるので控えたい」と9日午後の記者会見で語った。
自殺とみられるとしている。決裁文書の書き換えがあったのか。死亡した男性が森友問題にかかわっていたとするなら、公務員として、真相を明らかにすることこそ、国民への責務であったはずだ。ご冥福をお祈りするが、本来の責務を果たさず逝かれたとすれば、本当に残念だし、悲しい話だ。
今回の二つの事案が財務省の決裁文書書き換え疑惑解明にどのような影響を及ぼすのかわからないが、国政への国民の信頼を維持するには疑惑解明こそ最優先されるべき事と言わざるを得ない。
決裁文書が書き換えられたとすれば行政府への信頼は地に落ちる。国政の根幹を揺るがす深刻な事態になる。重大な事態だからこそ、真相を明らかにすることが民主主義を守るために必要なことであり、政府・国会は一体となって、真相解明に努めねばならない。出来ないのであれば国政調査権を行使すべき。(編集担当:森高龍二)