国税庁が2017年の酒類の輸出動向についてレポートをまとめた。17年の酒類の輸出金額は約 545億円、対前年比 126.8%、6年連続で過去最高。上位3カ国は米韓台。品目は清酒、ウイスキー、ビールが中心。
国税庁は先月、2017年の酒類の輸出動向について、財務省貿易統計をもとにレポートをまとめ、これを公表した。
レポートによれば、17年の酒類の輸出金額は、約545億円で、16年の約430億円から115億円近く増加し、対前年伸び率では26.8%の大幅な増加となり、6年連続で過去最高額を記録した。輸出数量は16万9023キロリットルで、16年の12万4710キロリットルを4万4313キロリットル上回り、対前年比35.5%の増加となり、同様に過去最高の水準となった。
国別に輸出先を見ると、1位が米国で120億円、対前年伸び率は17.7%で増加。次いで韓国の108億円で42.4%の大幅な増加。3位が台湾の53億円で14.5%の増加。以下、香港が48億円、中国44億円、フランス32億円、シンガポール28億円、オランダ23億円、オーストラリア18億円、イギリス16億円、その他54億円となっている。
品目別で見ると、清酒(前年比19.9%増)、ウイスキー(同25.8%)、ビール(同35.7%)、リキュール(同18.2%)が対前年伸び率で2桁の高い伸びを示している。
品目別に輸出先を見ると、清酒では米国が60億円と最も多く、次いで香港の28億円、3位が中国の27億円となっている。ウイスキーでは米国が37億円と最も多く、次いでフランスの27億円、オランダの18億円と続く。ビールでは1位が韓国の80億円、次いで台湾15億円、米国8億円。リキュールでは、台湾が13億円、香港8億円、米国8億円となっている。
清酒の輸出動向を見ると、輸出金額は、187億円で前年の156億円から大幅に伸び、伸び率は19.9%、数量は2万3482キロリットルで19.0%の増加となり、いずれも8年連続で過去最高の値となった。
輸出先を見ると米国(シェア32.3%、伸び率16.2%増)、香港(15.0%、6.4%増)、中国(14.2%、82.5%増)、韓国(10.0%、19.3%増)と続き、特に中国の伸びが大きくなっている。
日本酒については昨年末にミャンマーで正規輸入が認められ、先月27、28日にヤンゴンで日本酒の商談会が開かれた。日本酒の世界市場への売り込みは順調に進んでいるようだ。
この増加トレンドについて国税庁では、世界の酒類競技会で日本のウイスキーなどが多くの賞を獲得し、日本産の品質の評価が高まっていると同時に、海外での和食の普及にともなって国産酒類への需要が増加傾向にあるとみている。(編集担当:久保田雄城)