日産の中国合弁会社、東風汽車有限公司が1兆円投資の新中期計画発表

2018年02月06日 06:37

NISSAN_in_China investment plan

日産の中国合弁会社、東風汽車有限公司(DFL)が、きわめて積極的な中期計画を発表した

 日産自動車の中国における合弁会社である東風汽車有限公司(DFL)は、2022年までに年間販売台数を現在よりも100万台以上増やす260万台とし、売上は3000億人民元を達成する新中期計画を発表した。5年間の投資総額は日本円で1兆円(600億人民元)となる。

 日産と中国の東風汽車グループが50%ずつを保持する合弁会社であるDFLは、中国市場において、自動車合弁会社のなかでトップ3に入ることを目指すとした。

 今回発表となった「DFL TRIPLE ONE PLAN」と名付けられた新中期計画は、2017年の152万台という過去最高の販売台数を受けて作成された

 過去7年の間、DFLは、増収増益を図る野心的なプランに着手し、大規模な投資、ダイナミックな雇用拡大、そしてローカルブランドのヴェヌーシアの開発などで、中国市場へ32の新型モデルを投入してきた。DFLが合弁会社として設立された2003年以降、過去15年間に1500万台以上のモデルを製造し、ユーザーに届けたことになる。この実績が、今回の意欲的な中期計画発表につながったようだ。

 「DFL TRIPLE ONE PLAN」は、日産自動車の中期計画「Nissan M.O.V.E to 2022」と東風汽車グループの「2020 PLAN」と連動した計画案だ。後述する多くの施策によって、持続可能な成長と、次の5年間に販売台数を100万台以上増加させる。同時に、インテリジェントモビリティの発展をリードすることを目指す。

■20車種の新型EVを投入予定、同時に自動運転も

 具体的には、高級車から小型商用車(LCV)まで、5年間で40以上の新型モデルを投入し、成長をサポートする。同時にヴェヌーシアとインフィニティの販売台数を3倍に増加させる。また、小型商用車、ピックアップトラック、フレームSUV、そして輸出は2倍に増加させる計画だ。中国政府の規制の緩和に伴い、2019年から中国でもレベル1とレベル2の自動運転技術を導入する予定だ。

 電動化も積極化させる。DFLのすべてのブランドで、20以上の電動化モデル(ゼロエミッションおよびe-Power)を投入予定。2018年と2019年に日産、ヴェヌーシア、東風のブランドで6車種投入する。全ブランド全販売台数のうち、2022年には30%を電気自動車とし、インフィニティでも2022年までに、全ラインナップの25%を電動化し、2025年までに全車種に電動化モデルをラインアップする。

 「DFL TRIPLE ONE PLAN」が意欲的な事業目標に向かって集中する一方で、教育、貧困の削減、環境保護、「DFL Green 2022」イニシアティブを適用した持続可能な発展、コーポレートガバナンス及び人材とリーダーシップの開発に取り組む企業の社会的責任へのコミットメントを刷新する。

 DFLは、計画実現のために、次の5年間で、製造、商品、研究開発、人材、CSRと環境の分野に600億人民元(約1兆円)の投資を予定する。(編集担当:吉田恒)