天皇即位儀式「憲法に基づく新しい方法」を要請

2018年03月22日 21:16

 日本共産党は「天皇の即位儀式」について、今回は国会で議論する時間的余裕があることから「天皇の『代替わり』にともなう儀式は、憲法にもとづく、国民主権と政教分離の原則にかなった新しいやり方をつくりだすべき」と22日提案。国会を構成する全ての政党会派による十分な議論の機会をもつよう要請した。「天皇制反対の立場ではない」としている。

 この中で日本共産党は「平成の代替わり」の儀式では明治憲法下の絶対主義的天皇制のもとで公布された旧皇室典範と登極令を踏襲したもので現行憲法に照らして重大な問題があったと指摘。

 旧皇室典範と登極令が「天皇神格化」と「国家神道を徹底する立場」から、明治期につくられたもので、現行憲法のもとで廃止・失効しているもの。「皇室の伝統とも言えない」としている。

 特に「剣璽等承継の儀」(三種の神器を構成する剣・璽(勾玉)と国璽・御璽を新天皇に引き継ぐ儀式)は「神話で天照大神が孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に、地上を統治せよと命じて高天原から下ろしたさいに授けたとされるもの」で国民主権の原則と両立せず、憲法の政教分離の原則とも相いれないことから、国事行為として行宇部機ではない、と提起している。

 また、前回、国事行為として行われた「即位礼正殿の儀」も即位を公に宣明するとともに内外の代表が即位を祝う儀式として行われたが、「神話」にもとづいてつくられた、神によって天皇の地位が与えられたことを示す「高御座」(たかみくら)と呼ばれる玉座から天皇が言葉をのべ、その下から内閣総理大臣が祝いの言葉をのべて万歳三唱が行われる行為は国事行為として行うことはやはり国民主権、政教分離の原則と両立せず、相応しくないと提案している。

 日本共産党は衆参両院議長に対しても「代替わりの進め方、儀式等については、内閣が一方的に決定するのではなく、国民の代表である国会の全ての政党会派の意見を反映し、国民的な議論による合意を形成して行うべきだと考えます。全党会派による議論の場をつくるため、ご尽力を」と要請している。(編集担当:森高龍二)