外国人教師の視点で見た「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース

2018年01月31日 07:11

画・外国人教師の視点で見た「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」

日本に暮らす外国人が、今年ニュースを賑わした日本の出来事についてどのようにとらえているのかを調査すべく、イーオンに在籍中の外国人教師を対象に、「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」について調査を実施した。

 英会話教室を運営するイーオンと、英字新聞を発行するジャパンタイムズは、日本に暮らす外国人が、昨年ニュースを賑わした日本の出来事についてどのようにとらえているのかを調査すべく、イーオンに在籍中の外国人教師511名を対象に、「2017年、最も印象に残った日本の出来事・ニュース」について調査を実施した。

 本調査では、2017年1月~10月の「The Japan Times」WEBサイト記事アクセスランキングの中から、「政治・経済」「社会」「生活・文化・スポーツ」の3分野における「2017年日本の出来事」に関するそれぞれ上位10位、全30記事をイーオンが抽出、その中から最も印象的だったものを外国人教師に選出してもらったもので、初めての試みとなる。

 調査の結果、外国人教師にとって最も印象的だった出来事は「長時間労働是正のための働き方改革」(記事原題:Overworked Japan slowly adopting fixed rest hours to put an end to ‘karoshi’)が93票を集めトップとなった。記事タイトルにもなっている通り、「karoshi(過労死)」とは「働き過ぎが原因で死ぬこと」を意味する日本語発祥の英単語だが、外国人からは主として日本特有の深刻な問題として捉えられている。近年、メディアにも数多く取り上げられたこの問題について、政府や企業がようやく本腰を入れ「働き方改革」に取り組み始めたことを、日本の労働環境におけるポジティブな変化として歓迎する意見が多数挙げられた。

 生活の幸福度を重要視し、その枠組みの中において「仕事」を位置づける考え方は欧米では当然の感覚といえる。個人の幸福追求を、労働が阻害する場合には幸福追求を優先することがごく当然と考えられる世論がある。彼らにとっては、労働による自殺という感覚が理解のできないことなのだ。戦後、外来の民主政や国際化に象徴される「欧米的感覚」に依拠して国家運営を行ってきた日本だが、その根本に潜む国民的感覚には、欧米人と異なる習性や慣習が根強く存在しており、その乖離性は今後、深刻な火種となって我々自身に降りかかるように思う。

 一方で、2位以降には、ロボットが活躍する「変なホテル」、上野動物園の赤ちゃんパンダ誕生など、外国人から見たさまざまな日本の側面が上位に入った。天皇陛下生前退位に向けた皇室典範改正の動きや眞子さまのご婚約内定などにも関心が集まったが、政策や経済、皇室の問題等いずれをとっても、“伝統性を重んじる国民(国家)”と国際社会からみられている日本が国際化の潮流の中で、今後どのような舵取りをしていくかという点に関して、欧米人は大きな関心を寄せているようだ。(編集担当:久保田雄城)