宮内庁は14日、週刊新潮12月14日号の報道に抗議した。週刊新潮が官邸関係者の打ち明け話として「最近耳にしたのが、陛下が華やいだ雰囲気で皇居を去りたいお気持ちを持っていらっしゃるということ」と報じた。宮内庁は「陛下は譲位儀式をできるだけ簡素にとのお考えをお持ち」で、「国民に誤解を与える」と抗議した。
報じた内容では「(陛下は)一般参賀のような形で国民に対しメッセージを発し、そのうえでパレードをしたいと考えておられるようです」というものだった。
これに宮内庁はHPで「陛下は法案が通った非常に早い時期から、譲位の儀式の方はできるだけ簡素になさりたいとのお考えをお持ちであり、とりわけ、外国賓客の招待については新天皇の即位の礼にお招きすることの可能性を考えられ、御譲位の儀式にお招きするお気持ちはお持ちでない」と反論。
また「宮内庁として、陛下のお気持ちについては早くより、十分に承知しており、内閣官房に対しても御譲位の行事については、外国賓客を招いたりすることなく、宮殿内において粛々と静かに行われたい旨を伝えていた」としている。
そのうえで「冒頭引用した記事に掲載されている陛下のお気持ちやお考えは事実に全く反するものであり、国民に大きな誤解を与えるもので極めて遺憾。ここに、正しい事実関係を明らかにし、誤解を正すとともに、抗議する」と宮内庁が陛下の気持ちを示し、異例の抗議となった。(編集担当:森高龍二)