全日空(ANA)を抱えるANA ホールディングスと本田技研工業の航空機事業子会社のホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は、ビジネスジェットマーケット拡大に向けた戦略的パートナーシップに関する基本合意書を締結した。
ANA グループは、ANA ビジネスジェットの事業の柱である、北米や欧州などにおける「海外渡航先でのチャーター便」にてホンダの小型ビジネスジェット機「HondaJet」を最大限に活用してビジネスジェット利用顧客の拡大を図りる。HondaJet は、クラス最高水準の最高速度、燃費性能、静粛性および室内サイズ等を実現した小型ビジネスジェット機だ。今回の基本合意は、ANA の顧客に快適で利便性の高い移動手段を提供できることとなる。
HACIは、同社が有するグローバルネットワークを通じて、チャーター運航会社の仲介、ANA 便からビジネスジェットへの乗り継ぎ地点における地上支援の構築など、ANA の定期便からビジネスジェットへの乗り継ぎ便や日本からダイレクトに目的地まで渡航するチャーター便の手配事業などを展開する「ANAビジネスジェット社」が展開するチャーター手配事業を多方面から支援するという。「ANAビジネスジェット社」は、ANAホールディングスと双日株式会社が設立した共同事業会社である。
HACI社長の藤野道格社長は、今回の基本合意について、「日本最大のエアラインあるANA により海外渡航先でのチャーター用のビジネスジェット機としてHondaJet が選択されたことを感謝している。HondaJet の高速性、効率性、そしてアメニティや快適性は、ANA顧客の期待に沿うものになると確信しています。HondaJet の利用によってビジネスジェットマーケットがさらに拡大されることを目指します」と語ったという。
「HondaJet」は、2017年暦年におけるデリバリー数が、前年比20機増の43機となり、小型ジェット機カテゴリーにおいて、米セスナの主力機「サイテーションM2」を抜いて世界一となったベストセラー機。
乗員10人未満の超小型機は、北米や欧州では主に都市間の移動に使われ、小回りの利く飛行手段として、富裕層や企業のプライベート機、あるいは航空機運航会社の近距離運行の需要が伸びている。
日本におけるビジネスジェットマーケットは、欧米やアジアの一部諸国と比べると利用する顧客の総数は未だ限られているが、ANA グループとHACIが戦略的なパートナーシップを組むことで将来のビジネスジェットの潜在需要の発掘と、マーケットの拡大に向けた取り組みを目指す。(編集担当:吉田恒)