ホンダジェットが東南アジアで発売を開始

2017年05月26日 07:23

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ホンダは自社開発のビジネスジェット機・ホンダジェットを東南アジアで発売すると発表した。ホンダジェットの成功が欧米に比べ遅れている、日本の航空機産業の立ち上がりの端緒となることを期待したい。

 ホンダ<7267>は自社開発のビジネスジェット機・ホンダジェットを東南アジアで発売すると発表した。

 ホンダで航空機事業を手掛けるホンダ エアクラフト カンパニーは、タイのバンコクに本拠を置くThai Aerospace Service社を東南アジア地域における初のディーラーに指定。40年以上の活動実績を有し、ボーイング、エアバスを始め既に各航空機の取扱いを行っている同社がタイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、ベトナムにおいてホンダジェットの販売及びサポートを行うこととなる。

 ホンダジェトは日本の国産航空機として、主翼の上にエンジンを配置するユニークなデザインもあり、注目を浴びている。2015年12月からアメリカで既に納入が開始されているが、現在の北米・中南米・欧州の販売網に、今後東南アジアが加わることとなる。尚、日本での販売はなされていない。

 ビジネスジェット機としてクラス最高水準の最高速度、燃費性能、室内サイズを実現したホンダジェットは、市場への新規参入組ながら、2017年第1四半期には15機を顧客に引き渡し済。小型ビジネスジェットのカテゴリーにおいて、同期間に世界で最も多く納入された機体となっている。

 国産の航空機開発としては三菱重工<7011>も旅客機・MRJの開発を行っているが、複数回の納入延期を起こす等、開発に苦戦している。ホンダはビジネスジェット機で、三菱重工は旅客機でありカテゴリーが異なるものの、ホンダジェットは一足先に機体の完成と納入、そしてビジネス展開を行っている。ユーザーからの引き合いも多く、昨年にはノースカロライナ州の航空エンジン工場に2100万ドル(約23億円)を投じ、航空エンジンの生産能力の拡大投資も行っている。

 GHQの占領方針から、日本では戦後に航空機の開発が禁止された結果、欧米メーカーに比べ航空機開発が遅れた、という歴史的経緯が存在している。ホンダジェットの成功が、日本の航空機産業の立ち上がりの端緒となることを期待したい。(編集担当:久保田雄城)