イラク派遣部隊日報「隠ぺい」は否定 防衛大臣

2018年04月04日 07:13

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陸上自衛隊イラク派遣部隊による日報(376日分、1万4000ページ)の存在が2日、明らかになったが、野党からは『隠ぺいではないか』との批判が出ている

 陸上自衛隊イラク派遣部隊による日報(376日分、1万4000ページ)の存在が2日、明らかになったが、野党からは『隠ぺいではないか』との批判が出ている。小野寺五典防衛大臣は3日の記者会見で「再発防止策の一環の中で明らかになったことと受け止めている」と意図的に隠ぺいしたものではないとした。

 そのうえで「今回確認されたイラクの日報については記載内容、開示・不開示情報の確認作業を速やかに行い、4月半ばを目途に、資料要求された国会議員に提出する。また過去の情報公開請求についても、発見された本件『日報』の内容を確認の上、必要な場合の追加の開示決定も含め、適切に対応していきたいと思っている」と述べた。

 小野寺大臣は隠ぺい疑惑に「日報を含む定時報告は南スーダンPKO日報問題の情報公開・文書管理に係る再発防止策の一環として統合幕僚監部参事官が一元的に管理することになった。そのため全国の部隊等が保有する文書を丹念に確認した結果、この作業の過程でイラクの『日報』の一部が確認されたということだ」と説明した。

 そのうえで小野寺大臣は「過去の国会議員からの資料要求、国会での答弁、情報公開請求の際に今回確認された文書を見つけられなかったことについてはお詫び申し上げたい」と陳謝した。

 小野寺大臣は「国会等で防衛省の取り組みや『日報』確認に至った経緯などについて丁寧に説明していきたい」とも述べた。

 小野寺大臣は「防衛省として、今後、防衛省・自衛隊の全組織を対象とした文書探索を進め、日報を含む定時報告の統幕参事官における一元的な管理を徹底し、末端の部隊に至るまで情報公開・文書管理の重要性を認識して職務に当たるよう徹底させていきたい」とした。

 また、小野寺大臣は安倍晋三総理から「しっかり精査をし、つまびらかに経過、あるいは情報について公表するようにとの指示がございました」とも語った。

 小野寺大臣は日報の存在が分かって、大臣に報告されるまでに時間を要したことについても「どういう経緯があったのか再度確認する」とした。

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で「防衛大臣の下で、情報公開・文書管理の徹底をしてほしい。また(再発防止へ)更新履歴が厳格に管理できる電子決裁システムへの移行を加速させる」よう求めた。(編集担当:森高龍二)