C-17輸送機の検討提案に「愛国心無いのか」

2015年05月18日 07:53

 防衛庁長官、防衛大臣を歴任した石破茂地方創生担当大臣が15日のブログでイラクへの輸送議論の際、輸送機をめぐっての自民党内議論で「C-17(アメリカ空軍が保有する軍用大型長距離輸送機)導入の可能性も並行して検討すべきでないか」と提案した際「『石破大臣は国産化に消極的だと聞くが、愛国心は無いのか』と批判される有り様」だったと綴った。

 ネパール震災支援で輸送機に関しての思いの中で触れたもので、「内陸国であるために多くの困難があるでしょうが、このような時に航空自衛隊がC―17のような大型の輸送機を保有していれば、更に大きな支援が出来たのではないかと思われてなりません」と綴った。

 石破大臣は「現在我が国が保有するC―1、C―130では航続距離、輸送量に限界があり、特にヘリコプターのような大きな機材を運ぶことはできない。ヘリを現地に運べれば、端末輸送に大きな力を発揮する。イラク派遣の際、毎回、ロシアのアントノフ輸送機をチャーターせざるを得ず、東日本大震災の時も輸送力の不足が指摘されたのですが、C-2の完成が遅れており、なかなか大きな改善を見るに至っていない気がする」ともどかしさをうかがわせた。

 石破大臣は「イラクへの輸送の議論の際、『勿論離発着距離も大切だが、単純に考えて輸送機は大きくて航続距離の長いほうが良いのではないか。輸送機の国産化の意義はそれなりに理解するとしても、C―17導入の可能性も併行して検討すべきではないか』と問題提起したが、省内で支持してくれる者はほとんどなく、自民党の部会では『石破大臣は国産化に消極的だと聞くが、愛国心は無いのか』と批判される有り様で(それが国産輸送機C―2ですが未だ実用化に至っていない)、結局C-17導入は日の目を見ませんでした」と残念さが覗いた。(編集担当:森高龍二)