高度プロに強い期待、裁量労働拡大も改めて要請

2018年04月12日 06:16

 政府は年収1075万円以上の一部専門職を労働時間規制などから外す「高度プロフェッショナル制度」創設を含む働き方改革関連法案を今国会で成立させる意向だが、日本経済団体連合会の榊原定征会長は高度プロの実現に加え、今回、厚労省のデタラメデータが明らかになり、見送った「裁量労働制の拡大」についても、今週の記者会見で「しっかり実態調査を行ったうえで、早期に国会に提出してほしい」と改めて、裁量労働制の拡大を求めた。

 高度プロ制度創設や裁量労働制の拡大は経営側が強く政府に求め続けている。榊原会長は「働き方改革を推進していくためには裁量労働制の拡大、高度プロフェッショナル制度の創設、同一労働同一賃金、残業時間の上限規制の4つの政策課題すべてを実現していくことが重要である」と語り、裁量労働制の拡大、高度プロ創設をさきに口に、自身の中での優先度をうかがわせた。

 「働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大が除外されたことは残念」とも語った。そのうえで、榊原会長は「高度プロフェッショナル制度の創設は時間でなく成果で評価する新たな働き方を導入するものであり、これを確実に実現することが働き方改革を推進するうえで重要である」と強調した。(編集担当:森高龍二)