社会民主党の吉川はじめ幹事長は6日、高度プロフェッショナル制度創設を盛り込んだ働き方改革関連法案を政府が閣議決定し、今国会での成立を目指すとしていることに、同日「一度導入されれば拡大が必須で、広範な労働者が『残業代ゼロ』で働かされることになりかねない」と警鐘を鳴らし「創設には断固反対する」との談話を発表した。
吉川幹事長は「労働政策審議会において『長時間労働を助長するおそれがなお払拭されていない。(高度プロフェッショナル制度は)実施すべきではない』と労働側が反対していた」ことも指摘。
また「年収『1075万円』以上とはいっても、1年以上勤務しなければ確定しないし、年間休日104日も週休2日ペースの通常の働き方と同じで、特に配慮しているとはいえない。4週4日も可能とされ、連続24日勤務が合法となる。『残業代ゼロ法案』として国民の強い批判にさらされ、過去に政府が法案提出をあきらめた『ホワイトカラー・エグゼンプション』と同じものだ」と問題視した。
そのうえで「8時間労働制が適用されず、時間外労働や休日労働をしても、残業代が出ないこととなり、過労死しても自己責任とされてしまうなど、長時間労働を助長することになることは明らか」とも提起した。
また働き方改革関連法案として労働法規8本を一本に束ね一括法案にしていることについても「国会の審議権を制約し、議会制民主主義を実質的に否定するもので、断固抗議する」としている。
吉川幹事長は「法案ごとに丁寧に審議されるべきであるし、労働政策審議会において労働者代表が主張しているように、規制強化と緩和という真逆の方向性をもつ条項を一括りに労働基準法改正案として扱うべきではない。同一労働同一賃金も中途半端で不十分」と指摘している。(編集担当:森高龍二)