プレミアムフライデーは毎月最終週の金曜日を15時退勤にし、これによって消費喚起を促す目的で昨年2月24日にスタートした。
スターから1年を迎えた今年2月23日、民間企業の代表や識者を集めてプレミアムフライデーの今後について議論する「プレミアムフライデー・サミット」が開催された。3月29日、経産省がこの時の発言や内容をとりまとめたものを公表した。
サミットのテーマはプレミアムフライデーと「働き方改革」、「消費喚起」、「提言」の3つからなる。
働き方改革に関連し、「早帰り政策の推進のためには企業トップと働き手の意識改革のどちらがより必要か」という問いに対し登壇者の7名中5名が「トップ」あるいは「どちらかといえばトップ」と回答した。
サイボウズ(株)代表取締役の青野慶久氏は「今の経営者は家庭を犠牲にするような、 気合と根性で働き続けてきた人がその地位に来ている。今さら変えろと言われるとこれは自己否定に入ってしまう。トップをとにかく意識改革しないとなかなか進まない」と発言した。
消費喚起について、「官の支援と民の努力、どちらがより必要か」という問いには、官と民の連携が必要との意見が多かった。
日本フランチャイズチェーン協会会長の中山勇氏は「社会構造の変化で消費構造も変わってきている。 民間がどのようなサービスを提供していくかが重要であるとともに、女性が働きやすい環境をつくる等、官としてやるべきことは多くあり官と民の両輪で消費を喚起していくことが重要である」と発言している。
「消費者の環境改善と消費を促すサービス改善、どちらがより必要か」というテーマに関しては「消費者の環境改善」が多数派だった。
モデレーター役のエコノミスト崔真淑氏は「デフレマインドが完全に払拭されないと消費をしようという気持ちにもなりにくい。単に早帰り政策、働き方改革といっても社会環境全体の問題についても考えないと消費者の環境改善は難しいのではないか」、その一方で「人口動態もライフスタイルも変わってきているのでサービスを提供する側の改善ももちろん必須。また、官民の連携とともに民の側のサービスも取りこぼさないような取り組みも必要」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)