加計担当者の記憶根拠、総理と加計氏の面会否定

2018年05月28日 06:49

 朝日新聞は獣医学部開設疑惑の渦中にある加計学園が26日、報道機関に送付した「コメントの送付について」と記されたファックスをネット上でも公開した。

 2015年2月に加計学園の加計孝太郎理事長と安倍晋三総理が面会したことを「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした」とし、両氏の面会を否定する内容。

 一方で「県と市に誤った情報を与えてしまったように思う、とのことでした』と「当時の関係者の記憶の範囲で確認できたこと」としながら、当時の担当者がだれであったのか、面会を否定する客観的なものは加計学園から送られてきたとするファックス(1枚)からは読み取れない。

 愛媛県が国会に提出した文書では、総理と加計理事長が2015年2月25日に面談し、安倍総理が「新しい獣医大学の考えはいいね」と発言していたことが記されている。

 安倍総理は国会で2017年1月20日に国家戦略特区制度を活用した今治市の事業者が加計学園であることを知った、と答弁し、昨年の1月20日まで知らなかったのだとしている。

 2015年に加計理事長と面談し、そこに記されている通り「獣医大学の考えはいいね」と発言していたとすれば、安倍総理は国会で虚偽答弁しただけでなく、前川喜平前文科事務次官が指摘した「行政が歪められた」可能性も否定できない。

 2015年2月に加計理事長と総理に面談事実があったのかどうか。総理の進退にかかる局面だけに、加計理事長並びに加計学園のファックスに書かれている「当時の(加計学園の)担当者」に証人喚問に応じていただくことが求められそうだ。

 加計学園は今月24日、在学生に「本学園の獣医学部設置をめぐる報道が続いておりますが、国家戦略特区認定及び学部設置については、定められた手続きをすべて適正に行い開学に至りましたことを説明しておきたいと思います」とメッセージを発出している。(編集担当:森高龍二)