労働時間規制の対象から外れる労働者をつくり出す「高度プロフェッショナル制度」を含む働き方改革関連法案が29日の参院本会議で自民・公明・維新などの賛成多数で可決、成立したのを受け、日本労働組合総連合会(連合)の相原康伸事務局長は同日「罰則付の時間外労働の上限規制や中小企業における60時間超の時間外労働の割増賃金率に対する猶予措置の撤廃、雇用形態間における不合理な格差の解消に向けた同一労働・同一賃金の法整備などは評価できる」と評した。
一方で「労働基準法上の労働時間規制を適用せず、長時間労働を助長しかねない『高度プロフェッショナル制度』が法案から削除されることなく創設されたことは極めて遺憾だ」と批判した。
そのうえで、働き方改革関連法案に対し参院厚労委員会が法の実効性を高めるため、47の付帯決議を行ったことについては「働く者のための働き方改革を実現しなければならないという、野党の強い意思の表れであり、渾身の努力に敬意を表したい」と野党の国会での努力を慰労した。
相原事務局長は「条文では明確になっていない高度プロフェッショナル制度の対象業務、年収要件、また時間外労働の上限規制の詳細、勤務間インターバル、同一労働・同一賃金に関するガイドラインなど、省令・指針等において定めなければならない事項は多数に上る」として、働く者の健康と安全を確保する視点から労働政策審議会での議論に全力を尽くす、としている。(編集担当:森高龍二)