労働者にとって玉石混交の働き方改革関連法案が自民・公明の強引な国会運営の下、28日参院厚生労働委員会で採決された。29日にも参院本会議で可決、成立の見通しだ。
同一労働同一賃金、罰則付き残業時間の上限規制などの規定の一方、「残業代なし・定額での働かせ放題制度」と危険が指摘される「高度プロフェッショナル制度」の創設も含んでいる。
『高度プロフェッショナル制度』は労働者を保護する労働時間規制の対象から年収1075万円(目安)の労働者を外し、成果で評価するもの。
政府が労働者からのニーズとしてきたが立法事実がないことが国会審議で明らかになり、制度が労働者の為でなく、経済界の「労働生産性向上」目的であることが国会審議、さらに経団連・中西宏明会長が記者会見で示した、働き方改革の原点は「生産性向上」との発言要旨からも浮き彫りになっている。
さらに高度プロフェッショナル制度については対象労働者の年収が労働者の平均年収の3倍程度(約1075万円程度)といわれてきたが、年収の中に通勤手当、家族手当など定額手当てが含まれることが国会審議で明らかになり、立憲民主党の那谷屋正義参院国対委員長は「適用対象年収が800万円程度まで下がることが明らかになった」と経営側に都合の良い引き下げが早くも指摘された。「小さく生んで、大きく育てる」としてきた政府・経営側の狙いが透けて見え始めている。
28日夜、東京過労死を考える家族の会や日本労働弁護団が主催し、参院議員会館前で抗議集会があり、自民・公明の強行採決を強く非難した。(編集担当:森高龍二)