次期GT-Rなのか? 「Nissan GT-R50 by Italdesign」を7月公開

2018年07月02日 06:40

GT-R50 by Italdesign

「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、デザインは先鋭的だ。このモデルは次期型のGT-Rでは無い。日産の技術力とイタリアのコーチビルダーが協働した結果のスーパースポーツだ

 日産自動車とイタルデザインは、両社が初めて共同開発したプロトタイプ車「Nissan GT-R50 by Italdesign」を公開した。

 これはNissan GT-R NISMOの2018年モデルをベースとしたプロトタイプであり、GT-Rとイタルデザインそれぞれの50周年を記念するモデルだ。2018年7月に欧州で車両が初公開される予定だ。

 イタルデザインはイタリアのデザイン企業「イタルデザイン・ジウジアーロ」の自動車部門である。

 日産グローバルデザインを担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏によると、「何の制約もなくGT-Rをつくったらどうなるだろう」と今回のプロトタイプ製作の発端を語り、「これは2つの大きな瞬間が交差する、またとない機会でした。自動車業界に大きな足跡を残してきたイタルデザインが50周年を迎え、ワクワクさせる興奮を生み出し続けてきた日産のGT-Rも50周年を迎えます。この2つの瞬間を祝うため、日産とイタルデザインは本プロトタイプを生み出しました」とも。

 イタルデザインは本プロトタイプの開発、設計、製造を手がけ、独創的でキレのよい内装・外装デザインは、ロンドンの日産デザインヨーロッパと、日産デザインアメリカが担当した。

 「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、デザインだけでなく、さらなるパフォーマンスも追及している。GT3での経験を活かして手作業で組み立てた3.8リッターV6 VR38DETTエンジンは、最高出力720ps、最大トルク780 Nmを発生する見込みだという。

 パワートレーンも改良し、GT3車両用の大容量・大口径のツインターボチャージャーと大型インタークーラー。加えて、耐久性の高いクランクシャフト・ピストン・コネクティングロット・ベアリング、高流量ピストンオイルジェットと大容量燃料噴射装置を採用し、カムシャフト、イグニションシステム、吸排気システムも改良した。

 強化デュアルクラッチシーケンシャル6速リアトランスアクセルと、より強化されたデファレンシャルとドライブシャフトが、4輪にパワーを伝える。

 Bilstein DampTronicを採用した新しいサスペンションシステムを開発し、フロント6ピストン、リヤ4ピストンのブレンボ製ブレーキには赤いキャリパーを組み合わせる。ミシュランのパイロットスーパースポーツタイヤ(フロント255/35R21、リヤ285/30R21)は、エンジンの出力を最大限に生かすシューズだ。

 このプロトタイプは次期GT-Rのためのコンセプトモデルなのか、という疑問に、アルフォンソ・アルバイサ氏は、「このモデルは次期型のGT-Rではありません。日産の技術力と日本のデザイン、そしてイタリアのコーチビルディングを結集して、両社の50周年を刺激的にクリエイティブな形で祝福したものなのです」と述べるにとどめた。(編集担当:吉田恒)