米国人の4割「訪日旅行に興味あり」。7割が「歴史・伝統文化」に興味

2018年07月08日 13:27

画・米国人の4割「訪日旅行に興味あり」。7割か_「歴史・伝統文化」に興味。

「訪日ラボ」が米国人を対象に日本旅行について調査を実施。「訪日旅行に興味がある・行きたい」は38%。訪日目的は歴史・伝統文化体験が7割。逆に「行きたくない」理由は「高そう」23.8%。

 訪日観光客のインバウンドは計画を上回る勢いで推移している。2018年も既に4月段階で1000万人を突破し、年間3000万人突破はほぼ確実と言ってよい。昨年の実績を見ると訪日客の74%は中国、韓国、台湾、香港の東アジア圏からで、東南アジアが10%、一方欧米圏は北米が8%、欧州は4%に過ぎない。アジア地域以外の潜在的需要を喚起することも当面の課題であるとも言える。

 インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」が6月にアメリカ人1049人を対象に日本旅行の意向についてアンケート調査を実施し、その集計結果を公表した。調査結果によると、「日本は観光目的の旅行先になるか」という問いに対して、「興味がある・行く・行きたい」と答えた者は38.3%で、約4割のアメリカ人が日本観光に興味があり潜在的な需要を持っていることになる。一方、「興味があるが、行きたくない」は28.0%、「日本への旅行に興味がない」は33.7%となっている。

 年収別の集計では、年収約1100万円以下の者では「興味がある・行く・行きたい」と答えた者が34.5%であるのに対して、年収約1100万円以上の者では「興味がある・行く・行きたい」は58.5%と6割近くに達し、高所得層でより多くの潜在的需要があることになる。近年話題となっている欧米豪圏富裕層へのターゲティングはこの調査の結果からも合理的なようだ。

 日本への旅行に「興味があり、行きたい」と思う理由について尋ねたところ、「日本の歴史・伝統文化体験」が69.7%、「自然・景勝地観光」が59.2%、「繁華街の街歩き」が55.0%、「日本食や日本酒」が50.4%、「買い物」が42.5%となっており、アメリカ人ではアジア系よりもより体験系コンテンツの潜在需要が高いと言える。

 一方、日本への旅行に「興味があるが、行きたくない」あるいは「興味がない」と答えた者にその理由を尋ねたところ、「高そうだから」が23.8%、「海外旅行に行くつもりがない」が16.9%、「よく知らないから(行きたいと思うところがない)」が13.6%、「他の国のほうが優先度が高いから」が10.4%、「日本が嫌いだから」が8.4%という順になっている。

 年収別で見ると、高所得者層では「他の国のほうが優先度が高いから」という回答が25.8%と高くなっている。高所得者層で6割近い潜在需要が見いだせるというものの、他地域との競合が激しく、需要を掘り起こすためにはマーケティング上の工夫が必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)