参議院定数を6増し、比例に特定枠を設け、拘束名簿式を一部で導入する自民案を自民、公明が17日の衆院特別委員会で強行採決、可決させたことに社会民主党の吉川はじめ幹事長は『強行採決を糾弾する』との談話を発表した。
吉川幹事長は「今回の改正は参議院合区であぶれる現職救済目的だ」と強く非難。「定数配分は人口及び都道府県数を最大限尊重し、2倍未満に改正する努力を行うべき」と強く求めた。
吉川氏は「議会制民主主義の土俵の選挙制度を数の力で強引に押し切ることは断じて認められない」としたうえで「2015年の改正公選法の附則で『次回参院選に向け抜本的見直しに必ず結論を得る』とされ、参議院制度改革協議会の下に選挙制度に関する専門委員会が設けられ17回の真摯な議論を重ねてきたが、自民党は合区解消のための憲法改正に固執し専門委員会に何ら具体案を提示することなく、改革協に突如として今回の法案の考え方を提示して法案提出を強行。改正案の中身以前に、各党・各会派の合意が前提である選挙制度改革の議論を破壊する暴挙であると断じざるを得ない」とした。
そのうえで「社民党は比例代表区と選挙区の二本立てを維持しつつ、最高裁が、一票の格差是正のためには『単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど…現行の選挙制度の仕組み自体の見直し』に言及していること、憲法43条が国会議員は『全国民を代表する』と規定していることを踏まえ、現在の都道府県単位の選挙区を11ブロックに広げ、定数配分は人口及び都道府県数を最大限尊重し2倍未満に改正する努力を行うべきだとする案を提起している。自民党提出法案は廃案とし、参議院制度改革協議会で各党各会派の合意を見いだすことができるよう最後まで努力すべき」と求めた。(編集担当:森高龍二)