「夏より難しい」との見方もあった冬の節電対策。厳しい寒さの中、昨年夏のピークを上回る電力需要の日もあり、節電が一段と厳しくなった今、各家庭や企業はどのような対策を行っているのだろう。
政府が冬の電力需給対策を要請した、昨年12月1日から間もなく2ヶ月。厳しい寒波の中、東京電力管内では電力の使用率90%を超えた日が既に10日(1月26日現在)を超えている。この中には昨夏、懸念された電力不足の中記録した4922万キロワットを上回った日もあり、まだまだ続く厳しい寒さにも関わらず、より一層の節電を迫られる可能性もある。
冬の節電が難しい理由として、需要のピークが朝・夕の2回あることが挙げられているが、具体的に行われている節電対策として、家庭では夏にも行ったであろう”こまめなスイッチオフ”や”LED電球などの省エネ型の照明器具の導入”などを継続して行いつつ、室内温度を20度に保つ暖房器具運用や断熱対策が一般的には多いと思われる。
一方企業では、こちらもまた夏季に引き続き”室内温度の調整”"オフィスの照明・OA機器などの節電”などに加え、就業の見直しなどを導入する企業もある。
パナソニックでは今冬の節電対策として”ノー残業デー”を増やし、国内工場・オフィスの空調温度”19度”の設定を既に実施している。関西電力管内は10%以上の節電要請を受けており、このような大手企業が先陣を切って省エネ対策を行っている。
他にも企業が取り組む面白い節電プロジェクトがある。
ダイキン工業はオフィシャルサイト内に設けている人気キャラクター”ぴちょんくん”を使った「空気の学校」コーナーに、『冬の特別授業』という新しいコンテンツを用意し、子ども向けに節電啓発を行っている。また、住宅メーカーのアキュラホームは「アキュラ節電の匠コンテスト 冬」を開始している。これは、夏に行った節電コンテストが好評で、ユーザーをはじめ、周りの期待する声も多く、引き続き開催することとなった。具体的には、省エネルギー月間でもある2月の電気使用量10%削減を目標に行われた、各家庭でのエコな節電アイデアを広く募集するというもの。
東京電力の電気料金値上げ問題で様々な波紋が起きている中、電力というエネルギーは、ますます”創エネ”"畜エネ”の方向に向かうだろう。そうなれば、関連商品の市場は賑わう可能性はあるものの、まだまだコスト高の問題は解決されていない。この冬の節電対策のように、まずは”省エネ”で凌いでいかなければならないのが現状であることは変わらない。