昨年の小売業倒産 8割超は販売不振による

2012年01月30日 11:00

 2011年中の小売業の倒産は1489件で販売不振による倒産が82.8%(1234件)を占めたことが東京商工リサーチの調べで分かった。

 倒産件数は前年より1.7%減少していたものの、負債総額は2095億3000万円と4.1%増加した。また価格競争の激化による赤字累積による倒産が増えた。

 業種別では自動車小売業が184件で最も多く、花・植木小売、ジュエリー製品小売など「他に分類されない小売」が183件、コンビニエンスストアなど「その他の飲食料品小売」が109件、婦人・子供服小売が104件、各種食料品小売が98件になっていた。

 倒産形態別では破産が1180件と前年より4.5%増えており「厳しい業況下での再建の難しさがうかがわれる」としている。

 また民事再生法は51件(前年61件)、特別清算は25件(同30件)と前年より減少したが、法的倒産は1256件(前年比2.9%増)と84.3%を占めた。

 東京商工リサーチでは「デフレ経済の下、円高が価格競争に追い討ちをかける状況も生じ、小売業界を取り巻く環境は厳しさを増している」とし、「復興特需の恩恵が全国的に浸透するか未知数。個人消費の低迷から抜け出せず、潜在的に業績不振の業者が多い小売業界の倒産動向にはまだ注意が必要」と警鐘している。(編集担当:福角忠夫)