在宅勤務、サテライトオフィス、モバイルワークなどICTを活用した働き方であるテレワークはワークライフバランス改善を目指す政府の働き方改革でもその普及が提唱されている。総務省の統計を見てもテレワーク導入企業は未だ少数派ではあるが大企業を中心に導入が推し進められ増加傾向にある。
IDC Japanが「国内働き方改革動向分析結果」を公表、従業員から見たテレワークの評価と課題を分析している。
レポートによれば、働き方改革関連ICTツールの導入率を調査したところ、「旅費/経費精算」が47.5%で最も多く、次いで「勤怠管理」が43.8%、ワークフローが42.5%の3つがトップ3となった。
レポートでは、大企業においてはリモートアクセスや会議システムの導入が進んでおり、部署や職務内容を問わず利用されるため社内に広く導入効果を期待できるツールが優先して導入されていると推測している。
従業員視点からは、従業員が現在使っていて今後も使用したいツールとして、ノートブックPCに接続する「PCモニター」が74.0%、「ビジネスチャット」が73.8%と上位になっており、その利用率は低いものの「PCモニター」と「ビジネスチャット」は実際に使用するとビジネスの必須アイテムとなるツールであると考えられているようだ。
テレワークを実際に体験した従業員のテレワークへの評価については、時間が有効利用できることを実感しこれを評価している一方で、社内ネットワークへのアクセスの制限やコミュニケーションが十分、あるいはタイムリーに取れないなどといったことを不満点として挙げている。
ちなみにテレワークの導入率を企業規模別に見ると、大企業での導入率が50.0%である一方、中堅企業では22.5%と企業規模による格差があることが改めて確認された。
また、従業員自身の体験率をみると企業での導入率より大幅に低くなっており、テレワークを導入している企業においても実際に利用する従業員は一部にとどまっているというのが実態なようだ。
従業員視点では社内ネットワークへのアクセスやコミュニケーショが問題にされており、この観点から提供ツールの見直し等の改善をすることがテレワーク普及のためのカギのようである。(編集担当:久保田雄城)