リモート勤務用機器の提供、日本企業は33.6%で世界最下位

2018年07月06日 06:09

画・リモート勤務用機器の提供、日本企業は33.6%て_世界最下位。

人材サービスのランスタッド・エヌ・ヴィーが世界33国の労働者意識に関する調査の結果を発表。「オフィス勤務」は日本が81.22%、世界平均67.7%。リモート勤務機器の提供は日本企業33.6%で世界最下位。

 ICT(情報通信テクノロジー)の発展によって、「いつでも、どこでも勤務」できる可能性が広がってきた。政府も働き方改革の一環として「いつでも、どこでも勤務」であるテレワークの推進を行っている。海外では一定の普及を見せているようだが、新しい就業形態のため様々な課題にも直面しているようだ。

 このテレワークに関連して、オランダに本社を置く総合人材サービス企業のランスタッド・エヌ・ヴィーが、世界33の国と地域で実施された労働者意識に関するグローバル調査「ランスタッド・ワークモニター、2017年第一四半期分」の結果を公表した。

 この報告書によれば「勤務先ではいつでもどこでも働ける」と回答した日本の労働者は40.2%で、グローバル平均41.3%よりは僅かに低くなっているものの、全体から見ればほぼグローバル平均並みの数字であると言える。世界の最高値はインドの64.4%、最低値はチェコの25.9%で日本はイギリスやフランスなどと並んで中央値に位置し、順番としては19位だ。

 しかし、実際にどこで勤務しているかという問いに対して「全員がオフィスで営業時間に勤務している」と回答した日本の労働者の割合は81.2%とグローバル平均67.7%と比べても著しく高くなっており、順位としては高い方から4番目となっている。

 日本の労働者がテレワークに消極的な要因について報告書ではテクノロジー面でのサポート不足を指摘している。実際、リモート勤務用の機器の提供に関しては、「勤務先から提供されている」と回答した労働者の割合のグローバル平均は55.6%であるのに対し、日本ではわずか33.6%で調査対象の33カ国中で最下位という結果である。

 また、「オフィス以外で働きたいが、職務上できない」者の割合は、日本とグローバル平均では大差は無いが、日本においては女性の方が9ポイント多くなっており、日本ではオフィス以外での勤務が職務により限定される場合に女性の職種でその限定の対象となるケースが多いようだ。

 「ワークライフバランスを目的とした柔軟な勤務形態」に関しては日本の労働者の75.1%が好意的な意見で、順位は低いもののグローバル平均と比べて著しく低いと言うことはないようだ。しかし、「生産性、創造性、仕事に対する満足度を高めるための柔軟な勤務形態」について同意すると答えた者の割合は66.7%で、グローバル平均の81.0%と大きく差があり、順位では最下位となっている。(編集担当:久保田雄城)