農林水産省は耕作放棄地の再生支援に取り組み、農地や農村環境の保全に取り組んでいる。同省が行った22年度の荒廃した耕作放棄地に対する状況調査によると、復元すべき耕作放棄地が7000ヘクタール新たに発生したが、復元すべき耕作放棄地だった1万ヘクタールが農地として再生されていることも分かり、全体では復元すべき耕作放棄地は前年度より3000ヘクタール減少させることができていた。
同省の推計によると、耕作放棄地は全国で29万2000ヘクタールになり、前年度比5000ヘクタールの増となった。このうち、復元利用が不可能とみられる農地は14万4000ヘクタールで、前年度に比べ7000ヘクタール増加した。逆に復元利用が可能とみられる農地は14万8000ヘクタールで前年度より3000ヘクタール減少した。耕作放棄地が長年にわたって放置されると農地としての復元も難しくなるため、農地保全と農村環境保全は国土保全と一体化して取り組む必要があり、農地に関しては特に若年層の就農促進と限界集落を生まないための農山村への施策充実の必要が改めて浮き彫りになっている。(編集担当:福角忠夫)