辺野古巡り注視される知事選

2018年08月10日 06:47

 沖縄県の翁長雄志知事が8日、逝去したことに立憲民主党の福山哲郎幹事長は9日「沖縄県の皆様にとっても大きな宝を亡くした悲しみは如何ばかりか」と県民を思いやった。

 そのうえで「知事は沖縄の基地問題に正面から向き合い、政治家として信念を貫き続けてこられた。政治家の潔さが感じられる、保守の政治家の良心そのものという存在で、その姿はまさに草の根民主主義の体現でもあった」とコメントした。「草の根民主主義」は立憲民主党が目指す政治の姿でもあり、政治姿勢の立ち位置は同じだったようだ。

 翁長氏の急死に伴い、11月に予定されていた知事選は9月に前倒し実施される見通しになっている。普天間代替の辺野古基地建設を巡り国と激しく対抗し、建設阻止に動いてきた翁長氏の遺志を継ぐ知事をオール沖縄で誕生させられるかどうか。自治体首長選挙ながら国政並みの与野党対決構図になりそうだ。

 社会民主党の福島みずほ副党首は「保守・革新を超え、沖縄のために辺野古新基地建設反対で全くぶれなかった。遺志を多くの人と受け継ぎ、必ず勝利を勝ち取ります」とツイッターに書き込んだ。

 一方、公明党の山口那津男代表は辺野古基地建設に「普天間基地の危険を取り除く選択肢は辺野古への移設であるとの合意をつくり進めてきたつもり。ほかに現実的な選択肢がみられない以上、丁寧に県民に理解を得ながら危険を取り除くための努力をしていかなければならない。基地負担を軽くしていくことが政府の責任であり、知事も異を唱えられないと思う」とコメントを発表。辺野古基地建設しか普天間の危険除去の選択肢はないとしている。(編集担当:森高龍二)