2018年に入ってからも異常気象が続いている。7月の西日本豪雨は広範囲にわたって甚大な被害をもたらした。豪雨等による被災地への直接的な被害にとどまらず、異常気象は作物の生産にも大きな被害を与えているようだ。
3日、農水省が「野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年8月)について」を公表している。東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比を見ると、「ピーマン」が7月当初から「きゅうり」、「だいこん」、「にんじん」が7月上旬から120%を超えて高値で推移しており、8月1日現在では指定野菜14品のうち10品が120%を超えている状態だ。このうち「だいこん」と「ピーマン」は157%と極めて高い水準を維持している。
根菜類については、「だいこん」が6月中旬以降の長雨、日照不足により生育が低下、「にんじん」も同様に6月中旬以降の長雨、日照不足により生育が低下していたものの、天候の回復に伴い生育は回復傾向を示しており、8月1日時点での価格の平年比は105%まで低下している。
葉茎菜類の育成状況は、「はくさい」、「キャベツ」及び「レタス」については7月中旬以降の高温、少雨に伴う生育の低下により小玉傾向となっており、「ほうれんそう」は7月中旬以降の高温に伴う生育の低下により細身傾向で、「ねぎ」の生育は平年並みとなっている。
果菜類では、「きゅうり」、「なす」及び「ピーマン」は7月中旬以降の高温により落花が発生、「ピーマン」は7月中旬以降の高温・多照、少雨により日焼け果が発生、「トマト」は6月下旬以降の日照不足により着色が遅延し7月上中旬の高温や日照不足により落花も発生している。
土物類については「ばれいしょ」、「さといも」及び「たまねぎ」ともに生育は平年並みで、「ばれいしょ」と「たまねぎ」が安値水準、「さといも」は平年並みで推移している。
今後の見込みについては、「だいこん」が北海道において6月中旬以降の長雨により播種の遅延等が生じたため、「トマト」は青森県、北海道及び福島県において7月上中旬の高温や日照不足に伴う落花が発生しており、8月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込みだ。
「はくさい」、「キャベツ」、「ほうれんそう」、「レタス」、「きゅうり」「なす」、「ピーマン」については、今後も高温あるいは少雨傾向が続けば8月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込みとされている。(編集担当:久保田雄城)