9月1日は防災の日。萩空港で採用の常備食のはちみつなど

2018年08月26日 11:24

画・日本は世界より速いペースで温暖化している

2018年上半期の日本列島は、大阪北部地震や西日本を中心とした集中豪雨被害など、度々大きな自然災害に見舞われた

 2018年上半期の日本列島は、大阪北部地震や西日本を中心とした集中豪雨被害など、度々大きな自然災害に見舞われた。しかし、喉もと過ぎればなんとやらで、被災地域以外に住む人々は、日ごとに危機意識が薄れてしまっているのが現状ではないだろうか。折しも、9月1日は防災の日。南海トラフ地震の発生なども懸念される中、もしもの事態に備えて、今一度、ご自身の防災対策を見直してみてはいかがだろう。

 個人でできる最も身近な防災対策は、防災グッズや避難グッズを揃えておくことだ。東日本大震災以降、日本人の防災意識が高まったことや、昨今は短いスパンで自然災害が多発していることもあり、避難グッズを常備している家庭も増えた。ところが、用意しただけで安心してしまい、その後何年も放ったらかしにしている家庭も多いようだ。

 何年か振りに避難袋やリュックを開けてみると、放電してしまった電池や、とうに賞味期限が過ぎてしまった食料品などがわんさか出てくるようでは、いざという時に役に立たない。防災グッズや避難グッズは、定期的に中身を確認しておきたいところだ。

 また、その際にはできるだけ荷物をコンパクトにまとめることも心掛けたい。あれもこれもと詰め込んで大荷物になると、避難する際に逃げ遅れてしまう可能性もある。災害時は1分1秒が命運を分けることもあるのだ。

 中でも、食品類はかさばる上に管理も大変なので厳選したいところ。カンパンやレトルト食品だけでなく、栄養補給の配慮も心掛けたい。栄養価の高い非常食といえば、ドライフルーツやナッツ類、大塚製薬の「カロリーメイト」や「SOYJOY」などが定番だが、他にも非常食用に長期保存を実現した井村屋の「えいようかん」なども人気だ。

 そして一般的には意外と知られていないが、優秀な常備食として専門家が薦めるのが「はちみつ」だ。

 はちみつは180種類以上の栄養素を含む栄養豊富な食品として、古来より世界中で親しまれてきた。常温で保存可能な上、保存状態がよければ何年でも食べる事ができると言われている。素早くエネルギー補給できるだけでなく、上質な「甘さ」は癒しももたらすので、避難生活を強いられた際には重宝するだろう。

 食べるだけでなく、はちみつは抗菌性に優れていることから、海外では傷口に塗る治療としても使われることもある。米ウィスコンシン大学の医学部では、抗生物質が効かない細菌感染症の患者の治療に医療用はちみつを使用し、効果をあげているという。

 国内産の良質なはちみつといえば、山田養蜂場などのはちみつが有名だが、萩・石見空港で全日空グループの「ANA総合研究所」と空港ビル会社「石見空港ターミナルビル」が共同で養蜂事業に取り組んで販売して人気を博している「空港はちみつ」は、日本災害食学会から「日本災害食」の認証も受けている。

 もしもの事態など無いに越したことはない。しかし、地震大国といわれる日本に住まう限り、その覚悟と備えだけは常にしておきたいものだ。防災の日、せめて一年に一度くらいは避難袋の中身を点検していただきたい。(編集担当:藤原伊織)