ロシアが北方領土周辺の領海で射撃訓練を行うと日本政府に通告したことについて、菅義偉官房長官は10日の記者会見で、外交ルートを通して抗議したと明らかにした。
菅長官は「北方領土におけるロシア軍の動向については日ごろから注視しており、重視し、情報収集に努めている」としたうえで「モスクワ時間の9日、外交ルートを通して『本件は北方4島におけるロシア軍による軍備強化につながるものである』とし、『わが国の立場と相容れず、抗議する』との申し入れを行った」と述べた。
菅長官は「こうした問題の根本的解決のために、北方領土問題自体の解決が必要であり、引き続き、北方4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するとの基本方針のもとに、ロシア側と粘り強く交渉をしていきたい」とした。
また、アメリカ海兵隊のグアム移転に関し、辺野古への移設ができれば9000人が海外に出ていくと菅長官が発言していることに、2012年の日米合意で辺野古への移設とは切り離して米軍移転が決まっていたのではなかったか、と辺野古と関連づけて表現するのはおかしいのではと指摘する記者の問いに、菅長官は「最低でも県外という総理がいた。結果としてグアム移転のための事業が全部ストップ。予算もストップしている。そうしたことから(みれば)必然的に、そうなるのではないか」と辺野古移設問題と現実の問題として相関関係にあるとし、自らの表現は間違いではないとした。(編集担当:森高龍二)