企業側の恥ずかしい実態 技能実習生問題

2018年11月21日 08:10

失踪した外国人技能実習生の「失踪理由」の約67%が「低賃金」だったことが明らかになったが、就労前の労働条件説明と実際の報酬や労働時間に大きな乖離が発生し、人権問題として国際問題にもなりかねない恥ずかしい受け入れ企業の実態が法務省の失踪実習生個別聴取票から浮き彫りになってきた。

 技能実習生の実態把握のため、プライバシー保護を図ったうえで法務省が行った聴取票の全面開示が強く求められる。

衆院法務委員会理事会メンバーが19日行った聴取票写しの閲覧から、ベトナム人の男性が月給10万円の説明を受けたものの、8万円しか支払われず、さらに、そこから光熱費などの名目で5万円が控除された。また中国人男性は月給約20万円の説明だったのに、実際には約8万円だった。暴力を振るわれた事例もあった。

 最低賃金法や労働基準法に明らかに違反しており、立憲民主党の山尾志桜里衆院議員は「政府が受け入れ側の不正を把握しながら、表ざたになることを阻止しようとしていると思わざるを得ない」と政府対応を強く批判した。国会での突っ込んだ議論が求められている。(編集担当:森高龍二)