衆院法務委員長解任決議案を自民、公明ら否決

2018年11月21日 08:07

 立憲民主党が衆院に提出した衆院法務委員長解任決議案が20日の衆院本会議で自民、公明の与党と維新などの反対で否決された。解任決議案は葉梨康弘法務委員長が出入国管理法改正をめぐる法案について、法務省が失踪技能実習生に聴取した聴取票の結果報告に誤りがあったことが明らかになったことから、技能実習生の正確な実態把握が先決だとし、法案審議入りはそのうえで行うべきだと野党が求めていたにも関わらず、強引に審議入りしたため、立憲民主党が単独で決議案を提出していた。

 法務省は失踪技能実習生に聴取した聴取票の結果報告の誤りは「集計ミスによるもの」と単純ミスだとしているが、国会で山下貴司法務大臣は失踪実習生の失踪理由が「より高い賃金を得るためとするものが約87%」などと回答。しかし「より高い賃金を得るため」などという回答は、失踪理由回答の選択肢にはそもそもなかった。法案に都合の良いように虚偽答弁したと受け取れる。

 失踪理由で最も多かったのは、実際には「低賃金」によるもので、全体の約67%を占めていた。山下法務大臣は20日の記者会見で「誤りがあったことに心からお詫び申し上げたい」と陳謝した。裁量労働制拡大を図る法案でも厚生労働省のデタラメな調査結果が浮き彫りになったが、政府法案に都合の良い「集計ミス」「データ処理ミス」が目立っている。(編集担当:森高龍二)